翌朝、回診に来たのはお兄ちゃんだった。
「まりちゃん、おはよう。昨日、熱出したんだって?」
「おはよう。・・・」
「今朝は熱は下がってたんだね。じゃ、診察するよ。服めくって、はい、息吸って・・・吐いて・・・、よし、いいよ。ノド見るよ、あーんして・・・はい、いいよ。のどがちょっと赤いね。もう、熱でないように今日は安静にしてような。」
「うん。・・・」
「どうした?しんどい?」
「ううん・・・ごめんなさい。」
「うん?なんで謝るの?」
「あの・・・昨日、中庭とか屋上とか寒いのにウロウロしてて・・・それで・・・」
「あぁ、大丈夫だよ。怒られると思ったの?でも、まりちゃん、寒くなって自分で部屋にもどって寝てたんだろ?身体が冷えるまで外にいたのは良くなかったけど、そのあと、ちゃんと寝て安静にしてたんだろう?熱が出ちゃったのはしょうがない。そんなに不安にならなくていいよ。怒ってないからね。」
「うん。」
「もう大丈夫?じゃあ、ゆっくりしててね。」