お兄さんがお医者さん

夜中に喘息が出ることもなく、朝まで眠れた。
回診の時に、注射があるかビクビクしてたけど、胸の音が大分良くなってるって言って、注射はしなかった。

よかった・・・って安心してたのに、
「まりちゃん、注射はしないんだけど、今日は点滴を交換したいんだ。ついでに採血もするからね。ちょっとだけ、頑張って・・・」
「イヤだぁ、おにいちゃんの嘘つき・・・涙」
「ごめんなぁ。点滴もずっと同じ針刺しっぱなしだから、交換しないといけないんだよ。採血は同じ針でするから、チクってするのは1回だけだからね。ほら、まりちゃん、あんまり泣いたら、喘息でちゃうよ。せっかく音が良くなってたのにね。だから、もう泣かない泣かない。すぐ、終わるから。」
お兄ちゃんに左腕を押さえられて、今の点滴を抜くよって言われた。
怖がってたら、「そんなに力入れないの。ラクにしてたら痛くないからね。はい、フーって息吐いて・・・ほら、フーだよ・・・」
「ふぅー、いたっ。」点滴が抜かれて、抜いたところを押さえられて、絆創膏を貼られた。
「よし、じゃあ、今度は右手でもいいかな?」
「いやだ、ジャマになるし・・・」
「じゃあ、また左にする?」
「それもイヤだ・・・」
「はぁ、まりちゃん、駄々っ子になっちゃったね。よし、右にするからね。ほら、動かないよ。」
「無理だもん、怖いもん。痛いの嫌い・・・涙」
「大丈夫だよ。スーハーってゆっくり息しててごらん、吸って・・・吐いて・・・」
「スーハー・・・痛い!」深呼吸させられてる時にいきなり射された。
「ごめんごめん。もう、終わったからね。これで、また3日間は射さないからね。疲れたでしょ?寝ていいからね。」ってお腹あたりをトントンされているうちに眠っていた。