そして、放課後。
あたしは絶対に行かない事を決めている。
だって、行ったって、リンチっぽいのされるだけでしょ。
親がお偉いさんだからって、自分までお偉いさんぶったって、うざいだけだし……。
「小夜〜帰ろ♪」
帰りの準備をしていると、ドアから名奈が声をかけて来た。
「うん。今行く〜」
あたしがそう告げた瞬間、周りの女子達があたしを見た。
「ちょっと!宇島小夜ちゃん!そんな事したら、理科室で待ってる仁くんなにされるかわかんないよ!」
焦りながらあたしに言うさっきの女子達。
「あたし、行かないから。何されるとか、される意味がまずわかんないから。じゃ。」
あたしがそう言って、名奈の所へ行くと後ろで女子達の声が聞こえた。
「ガール候補失格だね…」
「落ちたね…」
「ハズレだよね…」
だから、“ガール候補”ってなんなの?
「小夜なんかあったの?」
心配そうにあたしに問い掛けてくる名奈。
「うんん。今日はちょっと嫌な事があっただけだし、大丈夫だよ。」
「そう?」
納得するとあたし達は下駄箱へ向かった。

