「あんた誰?名前も知らない奴なんかに告白されても気持ちわるいだけ、しかも軽い。あたし、そーゆうの1番嫌い。本気で好きっと訳でもないのに、好きとか言って…あんたみたいな奴、世界一軽い男って見られるんだよ」
あたしは男子を見て、言った。
だって本当の事でしょ?
「………邪魔。」
ドアの前で話していたあたしに向けられた言葉。
「なんだと!?」
「邪魔っつってんだよ。」
ぶつかった男子が反論すると邪魔と言った男子がギロリと見て、言った。
なんか…もう、めんどくさい。
席に座ろう…
あたしは男子二人を無視して、席に着いた。
―がたん―
隣に座ってきた邪魔と言った男。
「ねぇ、あれって……」
「だよね…あの人……」
「ちょーカッコイイ……」
皆が口に出し始めた“桜井 仁”と言う名前。
どう見ても、あたしの隣に居る人をチラチラ見て話すから…
この人は桜井 仁と言うのか。
あたしが桜井 仁をガン見していたら、不意に目が合った。

