「養子だから。」 そう言った仁の顔は無表情だった。 「変な事聞いてごめんね…」 「だから、謝んなっつーの」 それでも申し訳なくて、顔を伏せた。 あたしは一つ思い付いた。 「あたしが…さ、お弁当作ろっか?」 あたしは伏せた顔を上げて仁を見た。 「いいんだったら断ってもいいからっ」 仁はニコリと笑った。 「期待してる。」 笑顔……… 笑顔……… 「ま、任せて!料理には自信があるから!!」 あたしは気合いを入れて、自分のお弁当をバクバク食べた。