正直あたしも驚いた。
自分が言っている言葉に。
「ここでいいかな……」
あたしが選んだねは花が綺麗な中庭の大きな木がある所。
「お前花好きだよな。」
「え?好きだよ、なんで知ってるの?」
「知ってるからだよ。」
教えてくれないんだ……
まだ仁の事なにもしらないあたしは少しショックだった。
仁はあたしの好きな物を知ってて、あたしは仁の好きな物を知らない…。
そうな事考えてたら、仁は持ってきた袋から、コンビニのパンを出し始めた。
「いつもコンビニなの?」
「あぁ、作る奴がいねぇから」
「え?」
“作る奴がいねぇ”って?
「親父は居るけど母親はいねぇって事。」
「そ、そうなんだ…ごめ」
「謝んな、俺にとったら親父も居ないもんだし。」
あたしはその言葉の意味が良くわかんなくて「どういうこと?」ってつい聞いてしまった。

