桜井 仁 俺の名前で、俺の名前じゃない。 俺は施設で育てられた、大金持ちの社長に引き取られて……周りから見れば“可哀相な奴”だ。 でも俺は可哀相じゃない。 欲しい物はすぐくれるし、金には困らないし… 女だって、抱きたい時に抱けた。 だけど、受験生の中3の時、宇島 小夜に出会った。 宇島 小夜は一つの小さな花屋で手伝いをしてた。 外に置いてある花に水をあげながら話かけてた宇島 小夜。 『花だって生きてるし、話さないと寂しいよね』 なんて 最初の印象は花に話しかける変な奴だった。