強がり彼女とヤンキー彼氏




「……、ちょっと来い」


そう言ってあたしの腕を掴み教室から出された。


「ちょっ、どこ行くの!」


桜井仁は暗い北校舎の方へ向かって行ってる。

腕を掴んだまま無言でスタスタと歩く桜井仁にあたしは無性に腹が立った。


―ガラガラ―


あたしが連れて来られたのはあまり人が来ない理科室。

少し薄暗くて学校内では恐れられてる?理科室だ。


「桜井…仁…?」


あたしは今だ無言な桜井仁に話かけた。


―カチャ―


扉の鍵を閉める音。


「な…なんで閉めるの?」


「……これからお前を襲うから。」


「……え……?」


あたしにジリジリと近寄ってくる桜井仁。


「さ…桜井仁っ?」


「“仁”でいい。」


「じ…仁!襲うってなに」


後ずさるあたしをよそに無表情のまま近寄ってくる仁に叫んだ。


「……さっきのは、誘ったわけ?」


「“さっきの”?」


「上目遣いで、睨んできて…誘ってるしか思えない。」


「………はぁ!!??ありえないありえない!あたしが仁を誘うなんて…!」


やっと言葉の意味に気づいたあたしは完全拒否。


「好きでもない男子に誘うとかあたしはそんな軽い女じゃない。……好きでもない女を普通に襲えるような仁は軽いの?」


そう言ったあたしの胸はどこか痛みを訴えていた。



「俺が軽い男って思うか…?」


「あ、当たり前でしょ…知り合ったばっかなんだから……」


「……お前はな。」





え?


「……お前はな。」ってなに?

あたしは?