さらりと言った言葉にあたしは呆れた。
そんなすぐに人を好きになる大馬鹿じゃない。
軽くもないし、逆にあたしは一途派だ。
「あんたは、あたしより馬鹿だね」
「自分も馬鹿って認めてるな」
認めてはいないし…
馬鹿じゃないし。
あくまで、桜井仁よりは。
「お前は俺の物になる。つか、なれ。」
命令系であたしを見下ろす桜井仁。
うぅ〜!あたしの背が桜井仁より上だったら…するどく睨み返せるのに
あたしは150㎝の身長をひがみながら桜井仁を睨みつけた。
「あたしは物じゃありません!桜井仁の物になる事は一生ないでしょう!」
あたしは敬語を(嫌だけど)使ってはっきり言った。

