「知らない子。どうせ、また七瀬に告りに来たんでしょ。」 
「告白?七瀬くんってモテるんだね。」 

「そうなんだよね… いくら告ってもフラれるのはわかってんのにね。…はぁ。」 

そう美穂は少し切なそうに言った。 


「美穂ちゃん…もしかして…」 

「うん。あっ、絶対に七瀬には言わないでね! って言ってももう知ってるけど…」 

「どーいうこと?」 

「亜紀には話しとくね。 …実はアタシさぁ、ずっと七瀬のコトが好きなんだよね。 幼稚園くらいからずっと。で、何度も何度も告ってきた。 けどいっつもフラれてさ。 それでも諦めなかった。 だってアタシにたいしても一度もOKもらったこと無いけど、 他の子が告ってもいっつもフってるから。」 

美穂の真剣な眼差しに亜紀は思わず、目に涙をためてしまった。 

「ちょっと亜紀…泣かないでよ。 どんだけ優しいの? ってか、ココで流れたらアタシ、マジで可哀想な子じゃん! もう!泣き止んでよ。」 


その時だった。 


「亜紀…?どうしたんだ?」 

戻ってきた七瀬があわてて駆け寄ってきた。 

「ううん。何でもない。 ただ、この学校に来てまだ2日しかたってないのに、こんないい友達に出逢え良かったなぁ…って話してて。」