「拓巳くん、今日はありがとうね。じゃあ。」
「あぁ。んじゃあ、明日は何時くらいに迎えに来ればいい?」
帰り際、拓巳からの言葉に亜紀は理解が出来なかった。
「えっ…どういうコト?」
「だから、明日の朝だよ。 学校遠いし、まだ土地勘いまいち無さそうだし。…ダメか?」
そんな拓巳の優しさについ亜紀は
「ありがと。」
そう口にしてしまった。
それを聞いた拓巳は
「じゃあ、7時くらいに来るよ。」
そう言って帰ってしまった。
「ただいま。」
「亜紀…遅かったわね。」
家に帰ると、母は心配そうに亜紀を出迎えた。
「うん。ちょっとね、友達と。」
「友達?」
「うん。クラスに優しい子がいてね。」
「そう。初日から友達ができて良かったじゃない。」
そして次の日…
「いってきます。」
亜紀がそう言って家を出るとそこにはすでに拓巳の姿があった。
「拓巳くん…」
「おはよう。さっ、学校行こうぜ。」
「う、うん。本当に来てくれたんだね。」
「だって昨日約束したじゃん。悪かった?」
「ううん。そんなコトないよ。」
「なら良かった。後さぁ、アド、交換してもらってもいい?」
「…うん。」

