中学1年の夏… 

君は僕のいるN中に転校してきた。 

「高橋 亜紀です。よろしくお願いします。」 

高橋 亜紀。

そう名乗る彼女は髪が長くて、おとなしそうな人だった。 


「じゃあ、高橋は笠原の隣の席でいいな。」 

そう先生に言われて亜紀は、俺の隣の席に座った。 


「俺、笠原拓巳。よろしくな。」 

そう俺が言うと亜紀は、コクンと頷いた。 


その日の昼休み… 

拓巳には、仲のいい二人の友達がいた。 

高瀬 美穂と七瀬 涼。 

いつものように三人でご飯を食べていたら、美穂がいった。 

「ねぇ、拓巳の隣の子、どんな子?」 

「えっ、まぁどっちかっていうとおとなしそうな子。 って言っても話して無いけど…」 

「話しかけてあげなよ! だってほら、一人でいるじゃん。」 


三人が亜紀の方を見ると確かに亜紀は、一人だった。 

「けど…話しかけても、答えてくれないんだよ。」 

そう俺が言うと七瀬は 

「人見知りとかじゃないの? あのまま一人にしてたら多分、目つけられるよ。」 

七瀬の言っていることは確かに正しい。 

「美穂、ちょっと声かけてくるね。」 

そう言って美穂は席を離れた。 


「はじめまして。亜紀ちゃんだね。 アタシ、美穂。あっ、拓巳の友達なんだけど…