【Side 朱音】

 ピンポーン


「朱音ーっ! 朱音ったらー!!」


「……んぅ」


 友人の声が窓から聞こえてくる。


 呼び鈴を鳴らし、私の部屋に向かって怒鳴っているみたい。


「ふぁ~っ。んん……っ」


 私、小鳥遊朱音(タカナシ アカネ)は、ベッドから起き上がり、大きく伸びをした。


「朱音!! 起きたの!? あーかーねーっ!」


 うとうとしながら、目覚まし時計を確認する。


 『7:50』


「はぅっ!? チ……遅刻ぅ―――――――!!!」