side of CHIYUU


「親父~そこ右だよ。」

助手席でメモ帳にかかれた
手書きの地図を見ながら親父に指示をだす。

「はいは~い。おっ、あれだねぇ??」

新しい家が見えてきた。
カバンから、鍵を取り出してぶんぶん振り回す。

ウチらの階は5階。

「親父、あたし先にこのボストンバッグとキャリーだけ持って鍵開けてくるね。瑞希さんに着いたって連絡しといて。」

地下の駐車場で車を降りたあたしは、
中の親父に向かってそう言った。

「わかった~ちぃちゃん、任せたよ~」

自分で言うのもなんだけど、親父はあたしが大好きだから、
基本的にあたしが言った事をしてくれる。

顔とか、スタイルとか、友達からは

「千優のお父さん超かっこいい!!!」


って言われるけど、家の中の親父見てると、
完全にうっとうしい。