手の力を緩め、張戸を落とす。


「これ以上オレの事怒らせたくなかったら、遠藤に近づくなよ………」


オレが脅しの如く告げると、張戸は真っ青な顔をして震え上がっていた。


その翌日から遠藤の周りで張戸の姿は見かけなくなり、遠藤は不思議そうにしていたけど――――…オレは何も言わなかった。


少々心が痛むが、これ位の事で逃げ出す程の想いのヤツなら、相手にする程じゃねぇよな。


「いつか………恋人として笑い合いてぇなぁ………」


合格発表は、オレも遠藤も、後野々谷も合格。


こうしてオレ達は、ついに高校生になったのだった。