《夕日塔番外編》 想いの裏側

まぁオレ“だけ”と言っても、保健室にはオレと遠藤しかいなかったから、遠藤はオレに頼むしかなかったんだけど―――…な。


「なんだ?」


「喉……渇いちゃった……」


「ああ水な………ちょっと待ってろ」


保健室のコップに水を入れ、先に遠藤の上半身を起こさせ、コップを手渡した。


コクコクと水を飲み、遠藤の肩の力が抜ける。


「どうだ?少しはマシになったか?」


目線を合わせて問いかけると、小さく頷かれた。


「ありがと宮迫……私いっつもアンタに突っかかってイヤな女だけど、アンタって本当は優しいよね…………」