本人を無視して勝手にやり取りし終えた先生は、また保健室から出ていく。


「ちょっと宮迫……私大丈夫だから…授業……ケホケホッ」


“授業戻れ”言いたかったのに、咳が出て言えない。


宮迫はイスに座り直すと、私のオデコに乗ってたタオルを引っくり返した。


「………ほっとけねぇんだよ」


「えっ…?」


「オレがお前の傍にいたいからいるんだよ………遠藤」


そう言った宮迫の笑顔と言葉があまりにも暖かくて……


私の心臓は、カゼとは全く関係ない理由で、ドキドキしまくっていた。


やっぱりアナタは…優しいんだよ……ね。