モグモグ口を動かしていた私は、ジャリ…と小石を踏みしめる音がしたのに気づかなかった。


「何やってんの?」


「カップケーキ食べてんの!!」


「なんで泣きながら食ってんだよ?」


「渡したかった人に、好きな人がいたから!ヤケ食い…………って……」


ちょっと待って…私誰と喋ってんの?


体育座りのまま後ろを振り向こうとするが――――…暖かい何かに抱きしめられて、視界が遮られた。


「えっ……?」


「だったら………くれよ。オレにくれ…………」


私を抱きしめ、絞り出す様な声で頼んで来たのは―――――……