「―――こんなに可愛いあなたを放すなんて、あるわけないのに」 言って、おでこにチュッとした彼。 「葵さんを手放すなんて、出来るわけないでしょう?」 言いながら、私の頭を撫でる。 ……本当に、私が子供ですね。 「……ごめんなさい。 いつだって一緒にいたいの。傍にいたいの。 本当は、そんなの私の我が儘だって分かってるのに……」 周りに迷惑かけてまで彼の傍にいる私は、大人失格なんだって……ちゃんと分かってるの。 相田さんが言ったことは、間違えてないんだって―――分かってる。 .