「好きだよ」 私も、好き。 私の方が好き。大好き。 子供じみた嫉妬なんてしちゃいけないの。 だって、私は大人だし。 彼よりもうんと年上だし。 ……でも…… 「あ、呆れても……嫌いにならないで…っ」 すがりつくのは、いつだって私の方なんだ。 私を抱きしめていた腕を、そっと放す蒼くん。 私はイヤイヤと俯いて彼から離れない。 .