目の前には年期の入った木の扉。 そこは、私が通っていた三年間お世話になった弓道場の入り口。 「………ごめん。 私、中に入れない」 思いの外か細い私の声に、隣の彼は掴んでいた手を更に力を込めて握った。 「大丈夫です。 ちゃんと話して下さい。そしたら、きっとうまくいきますから」 優しい、柔らかなその声に、泣きそうになる。 中に入るのが怖くて堪らない。 あの冷たい目で見られたら、どうしよう……。 彼の隣に相田さんがいたら……どうしよう……。 .