「――あの馬鹿!」



 小さく舌打ちした吉田くんが、慌てて追いかける。

 その姿を私はただ、黙って見ているしか出来なくて……。







「葵さん…?」




 ――はっ!


「あっ え、とぉ……大丈夫かな? 相田さん」


 私の様子を伺うようにチラチラとみんなが見てる。



 ……なんで…?




 頭の疑問符に、泣きそうになるのを必死に抑えて笑顔を作った。