ぽかんとして そこに立つ女の子を見ながら 私は自分がさっきまで何を考えてたのか すっかり忘れてしまったことに気づいた。 あれだけ頑丈に組み立てたはずの 私の怒りは、 ふいうちの衝撃で すっかり体から抜けて、 とんでってしまった。 残ったのは信じられないくらい まっしろな軽い気持ち。 「誰がこんな所に・・・」 タカオちゃんは そうっと手を伸ばして黒い鳥を抱えあげると、 あっけにとられてる私に気付いて こういった。 「行くよ、保健室でみてもらおう。」