『・・・で、そしたらアヤセがぼそっと、 「フツウじゃん」て。』 「あはははは。」 『キド、再起不能。 さすがにフォローしてやりたかったけどさ、 やー、できねーわ、あれは。(笑)』 今日も家のインターホン越しに、 リョースケ先生と日課のおしゃべりをする。 本当は二階のこの部屋の窓から、 玄関の前に立つ先生の姿を見て 話したいのだけれど、 あいにく電話のコードが、窓辺に届かない。 私はベッドの上で、電話と一緒に膝を抱えた。