ユリは、5月頃から
学校に行っていない。


いわゆる、不登校ってヤツだ。


リョースケ先生が
せっせとユリの家に通うのも、
このためだった。



「センセイ、この部屋まで
来てくれればいいのにな~」

ユリの言葉に、ぎょっとする。


「ば、ばかっ!

あんな奴、部屋に入れたら
何されるかわかんないぞ!!」

「やぁだ~~!!

タカオちゃん、なに
やらしい想像してんの~!!」
 

思わず本気で怒鳴ったのに、

ユリは全く気にせず
きゃっきゃと笑っている。


やるせなくて、
大きな大きな、ため息をついた。