『ひどいよ、せんせー!!』
その声の主は、
例の私のケンカ相手で、
教卓の中から飛び出してきた彼女に続いて
さらに数人の女の子が顔を出して、
私はやっと、事態をのみこめた。
『私にも、おんなじこと言ったのにー!!』
なるほどね~。
これはこの先生なりの、
「断り定型文」だったのだ。
・・・ていうか彼女は、そこまでして私が先生にしかられる所を見たかったのね。。
私めいぎで先生宛にラブレターを書いた(らしい)のは、
彼女だった。
大声で泣き出しておおわらわの女の子に、
あわてふためく先生を素通りして
私は自分の席に戻ると、
帰り支度をしてそのまま帰ってきた。
あ、教室を出るときは
あいさつもしたよ、ちゃんと。
「せんせい、みなさん、さようなら」って。
ガクガクと震える女の子の目に涙が浮かんで、
リョースケ先生は
仕方なさそうにため息をついてから、
思いがけずやさしく笑った。

