言わせてもらえば、
私はこの先生が好きだったことなんて一度もない。
わざとなのか
天然なのか、
先生の鈍感さは、
ときとしてピンチを引き起こし、
何度となく私を絶望のふちに追いやった。
「でも嬉しいなあ。
僕、こずえちゃんには嫌われてると思ってたから。
・・・そうだ、メルアドくらいなら交換しようか。」
ポケットから
携帯を取り出して、
にこにこしながら近づいてくる先生を見て、
私はなぜか、鳥肌が立った。
そこにいるその人がなんなのか、
そのとき、私にはわからくなった。
じりじりと後ずさりながら、
なんとか「いらないです」と首をふる。
「なんで?それくらいいいのに。」
遠慮しないでいいよ、と先生が言い、
えんりょじゃないよ、このドンカンー!と
内心、泣きそうになったとき、
教室中に半泣きの叫び声が響き渡った。

