戻ってきた先生は、
障子紙とのりとカッターを持っていた。
胸ポケットから赤いボールペンを取り出して、
障子紙に線を引くと、
使う分だけをさっと切り取る。
「これくらいで足りるよな?」と言いながら、
くるくると新品の障子を丸めてしまうと、
立ち上がって元のふすまに返しに行く。
先生がいた場所には
円周状に
カッターとノリと、
赤ペンが転がっている。
「・・・先生、詳しいね、ここに。」
「昔、いりびたってたからなあ。」
「ああ・・・、正座させられて反省文を読み上げてる先生が、目に浮かぶよ。」
「いやいやいや、実はお茶を少々たしなんでまして。」
「ウッソだ!先生が茶道部!?どうせめあての女子が、とか。」
「茶菓子がめあてでさー。」
ますますうそくさい。

