「・・・先生。
タカオちゃんはいま、教室で授業を受けてる?」
ピタッと先生が手を止める。
和室の障子が、
畳が、
ふすまが
あらゆる音を、吸収する。
茶色くけばだった畳が、
靴下を貫通して足の裏でちくちくと痛い。
「・・・なんか知ってんの?」
障子を見つめたままの先生の視線は、
だけど背後の私を絶対に見ている。
慎重に、こちらの気配をうかがっている。
「・・・し、知らない、と、思う。」
勝手に声がうわずって、答えるんじゃなかったと後悔する。
先生がゆっくりと、振り向いた。
真剣な瞳は怖いくらいに澄んでいて、
その眼は、黙ってるとまぎれもなく鋭い。
「隠すと、怒るよ。」

