先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】



その日の帰り、いつも一緒に帰ってた友達から絶交された。

あの子が先生を好きなことなんて、「有名」で「みんな知ってる」ことなんだそうだ。

「なのにあんなこというなんて、こずえちゃん、ひどい。かわいそうだよ。

私は、あの子の味方するから。」


本音がスケスケのたてまえだったけれど、

気持ちはわかるので何もいえなかった。



だけどそれでもやっぱり、

彼女も私のとばっちりを食うことが何度か起きた。




ブリキのバケツ。

黒板消し。

黒い鳥。

下駄箱。

掃除用具入れ。



「なんとかいえよ!」



いやだって言っても、
やめてって言っても、

誰も聞いてくれなかった。




私の頭の中、どんなに強い言葉を探してかき集めても



全然だれにも、きかなかったじゃない!




だからもっと威力のある言葉を、

強い力を、




私と同じだけ傷つけられる武器を―――




背にしたロッカーの扉が、少し開く。


すき間に手をしのばせると

指先が、さわった。



木の感触。

ささくれ。


関節を曲げて、しっかりとつかんだ。


モップの柄(え)



取り出してみるとこのお掃除道具は、

結構な重量があった。



ぬうっとした、存在感。



その不恰好で汚い武器を、


私はゆっくりと身構えた。



取り囲んでた女の子達が、顔を引きつらせてあとずさる。



私はじっくりと、彼女達を見回した。