数学科室は、
ちょっと遠かった。
私はガラッと勢いよくドアを開けようとして、
・・・開けようとして、
思いとどまった。
・・・・・・なんで、このなか真っ暗なの?
なんでドアが、閉まってんの?
鍵がかかってるのかどうかはわからない。
そんなに力を入れてなかったのは確かだけど、
だけど、スライド式のドアって、こう、
すんなりと、横に滑るもんじゃない?
中の様子は、全然見えない。
いるよね?タカオちゃんと先生。
・・・た、たてつけが悪い、のかな。
だけど私はどうしても、
ドアにかけた手に
力を入れることができなかった。
行き場を失った手が、
重力に負けてドアから離れる。
カタカタと、体が震えて足がすくむ。
ぎゅーっと内臓が、
下に引っ張られていく気がした。

