私は気合でなんとか 体を半分起こすと、 試合に負けたボクサーみたいに よろよろドアの所へはいずってって、 勝手に震えてる手で、 部屋のドアをきちっと閉めた。 鍵もかけた。 そうだよ。 リョースケ先生の思惑通りになんて いかないんだから。 どうってことないんだもんね。 平気なんだもんね。 次に来たときは 倍にしてお返ししてやるんだから、 首を洗って待ってなさい、先生。 だけど次の日もその次の日も、 リョースケ先生は来なかった。