だってキミが好きだった








***







「すーみれっ!一緒にお弁当食べようではないか!」







太陽はもうすでに昇っている昼のこの時間。




さっきチャイムの音がして、午前中の授業が終わったかと思えば、


前の席にいる瑞希はすばやく自分のお弁当を取り出し、笑顔で私の方を向いてきた。







「瑞希早いね。そんなにお腹空いたの」


「当たり前じゃないか!!もう昼だぞ!?」






グイッとお弁当を顔に押し付けてくるから、

視界がお弁当を包んである布でいっぱいだ。





柄は特にないけど黒い生地に周りには白いレースがついてる。




瑞希らしい。



でもこれじゃ邪魔だよ。



目の前が見えない。



はぁ、と溜息を吐き、お弁当をガシリと掴んで瑞希に押し返す。



それだけで視界がいっきに教室の風景と瑞希の顔に変わった。






「お昼だからお腹空くの当たり前だよね。でもごめん。今日は私お昼一人で食べたいんだ」


「え、うっそ!!菫いないと寂しいよー」


「ごめんね。明日一緒に食べよう?」


「……何かあったの?」


「違うよ」


「……親友なんだから、何かあったら言いなさいよー」


「何もないよ、大丈夫」


「……そっか」







俯きがちに私は言う。



それに返事を返した瑞希の声は、どことなく寂しそうだった。



俯きがちになった私の視界に映る、お弁当をギュッと掴んだ瑞希の手。



白いその手は、何かを堪えているようにも見える。