オンリー•ガール



「わたし、落書き苦手」
「いや、俺も」

どうしよう。
会話が続かない。
他の人なんか遠くにいるし。

「とりあえず名前書いとこー」
「じゃあ俺慎司にイケメンって書いとこー(笑)」
「ちょっ!」

思わず吹き出した。
失礼だったかな?

「浩汰、いまなんて言った?美也も笑いやがるし」
「あっ慎司くんいたの?まあ悪口じゃないしいっしょ!」
「そうそう。にしても首絞めんのは反則だろ?」

ギブギブギブと、笑いながら浩汰くんが言う。
そのすきに私はイケメンと落書きする。

「ちょっ美也!」
「ナーイス☆」
「ついでに浩汰くんにもイケメンって書いとこ♪」

なんか、楽しい。
高校入ってこんなに楽しいと思えるの初めてかも。