続・一途な彼女と意地悪な彼の物語

「こらー!しゃべってばかりいないで仕事しなさーい」

和葉さんがやって来た

「波留がずっとしゃべってるんですよ」

蓮斗さんが言った

「まったく…波留は本当におしゃべりなんだからー」

和葉さんも言う

「しっかり手ェ動かしなさいよ」

和葉さんはそれだけ言うとまたお店の中に入って行った

「いっつも俺が怒られるんだよなぁ」

「黙って洗ってろ」

蓮斗さんが冷たく返す

その場が静まり返る

「…おい、蓮斗。こんな空気にするなよ」

「…」

「…」

「ごめん、葵ちゃん」

波留さんが申し訳なさそうに言う

「いえ…」

「いつもこんな感じだからさ」

「いえ…」

蓮斗さんを見るともくもくとバイクを洗っている

「葵ちゃん!注文がきてるバイクチェックお願いできる?」

バイクを洗い終わり和葉さんに呼ばれ

道具を棚にしまって倉庫へと行く