「おい…崎…神崎…」

先生の声で目を覚ます

「ん?…先生」

「起きたか」

「寝てた…?」

「ああ。泣きながらな」

え?

私は頬を触る

頬は少しだけ濡れていた

「ごめんな」

先生は窓の外を見ながら言った

「え?」

「外、海だぞ」

先生の一言で窓の外を見た

「海だ…」

青い海が広がっている

「行くぞ」

先生は車を降りる

私も車を降りた

「すごいね!きれい」

先生は私に手を差し出した

私は少しためらいながらもその手を握った

「お前の手って小さいな。子供の手みたいだ」

「いいの!」

私は先生の手を握りながら走り出した

「おい、こら!走るな」

浜辺は走りにくい

私は転びそうになりながら走る