夜の11時だった

ケータイを開き電話帳から先生の名前を探し電話をかけた

プルル…プルル…

『はい』

先生の声が聞こえる

「先生…ひく…ひく…」

思わず涙が溢れ出た

『お前…電話かけてくるの遅えよ』

先生の一言に驚いた

「先生が…連絡…するって…言ったもん…」

『普通ならこの前に別れた後、すぐに電話してくるだろ』

この前とはきっと私達が恋人同士になった日のことだろう…

「普通って…そんなの…わかんないよ…!」

『わかんないって…俺だって、お前からの電話くるの待ってたんだよ…』

先生の言葉にまた涙が溢れた

「先生…」

『なんだよ』

「会いたい…」

我慢できずに言ってしまった

『お前、今どこにいる』

「家」

『今から行く。着いたら電話するから』

先生はそう言って一方的に電話を切った

私はパジャマ姿だったので急いで着替えてケータイを握り締めた