先生の唇が離れる

目をパチパチさせる私

「バカ。目、瞑れ」

「ごめん…」

「あ、ケータイ貸せ」

私は先生にケータイを渡す

先生は赤外線でアドレスを交換させた

「これでよし」

私はケータイを受け取り電話帳を開く

や行には矢沢竜と先生の名前が入っている

「先生の番号とアドレスが入っている…」

「それでいいだろ」

「ありがと、先生」

先生は私から目をそらす

「じゃあ、葵。行くね」

私は車から下りた

先生は運転席の窓を開けた

「また、連絡する」

「うん。待ってる。おやすみなさい」

「おやすみ」

窓を閉まり車が動き出した

私は先生の車が見えなくなるまで見ていた