するとその先生は

「南高って矢沢先生が前にいた学校よね?」

「はい。そうです」

「矢沢先生ね。いつもあなたのことを話していたのよ」

「葵のことをですか?」

その先生は優しく笑い言った

「葵ちゃんって言うのね。矢沢先生はねいつもあなたのことを心配してたわ」

「本当ですか?」

「えぇ。いつもあなたの話をするときは楽しそうよ。あんな生徒はこの学校にはいないって言ってたわ」

「そうですか…」

先生…

そんなこと言ってたんだ

「久しぶりなんでしょ?会いに行ってあげて」

「はい。ありがとうございます」

私は歩き出した

「あっ」

私はまた振り返り

「あの!お名前聞いてもいいですか?」

先生はにっこり微笑み

「早坂〔Hayasaka〕です」

「早坂先生ですね。先生、本当にありがとうございます」

私はそう言って体育館へと走り出した