続・一途な彼女と意地悪な彼の物語

「先生…ごめんね?葵のせいで…」

私が言うと

「あ?別に気にしてねぇよ。だいぶ楽になったし」

下を向いてる私の頭を撫でて先生は立ち上がった

「次はあれに乗るか」

先生の言葉に頭をあげる

先生が指差してたのはウォータースライダー

「えっ!でも…」

「行くぞ」

無理矢理私の腕を引っ張って歩き出した

「ねぇ、先生…ねぇってば…」

ウォータースライダーを目指して歩いて行く

「先生ー!」

私が叫ぶと

「こんな公の場で叫ぶなよ」

「先生!葵あっちがいい」

私はメリーゴーランドを指差した

「あ?なんでだよ」

「葵だけが楽しむのはイヤだ…」

先生は何も言わない

「一緒に乗れるやつに乗ろ」

今度は私が先生の腕を引っ張る

「馬鹿野郎…何時の間にそんなこと言えるようになったんだよ」

「どういう意味?」

「そのままだよ」

「わかんない」

「だから、昔は自分のことだけだったのに相手のことも考えられるようになったんだなって思ったんだよ」