バレンタインデー当日―

ハアー。

緊張する……

今日、康太にチョコ渡すんだ。

ちゃんと渡せるかな?

でも、いつ渡そう……

朝は、お母さんが居るから帰り渡そうかな。

「愛歌、おはようってめずらしく今日は、起きてるなぁ」

「うん」

「今日は、ゆっくり学校行けるなぁ。じゃあ、先に下降りとくな」

康太は、そう言って部屋から出て行った。

私は、制服に着替えて下に降りた。

「愛歌、今日はめずらしいねぇ。康太君から聞いたけど」

そう言ったのは、お母さん。

「皆、同じ事言うね」

私は、そう言って椅子に腰掛けた。

「はい。ご飯、出来たよ」

「ありがとう」

私は、それを受け取ってご飯を食べた。

「康太君、チョコ何個もらえったか教えてね」

「はい」

お母さんたらそう言う話本当に好きだな。

私は、朝食を食べ終えて食器を運んだ。

「そう言えば、愛歌は康太君にチョコあげるの? 去年は、あげてたけど」

ギク

お母さんが突然私に聞いて来た。

康太も私の方を見ている。

もう、お母さん。康太の前で言わないでよ。

私は、心の奥でそう思った。