「ねえ、愛歌ちゃんは好きな人とか居ないの?」

高岡さんが突然聞いて来た。

「居ないですよ……」

私は、即答で答えた。

本当は、一瞬康太の顔が浮かんだのに……

何で私、最近康太の顔ばっかり浮かぶんだろう?

私は、頬に手を当てて頬が赤くなった。

「本当に?」

「本当です」

「あっ!!愛歌ちゃんの家に着いたよ」

「送ってくださってありがとうございます」

私は、車からお礼を言ってダンボールを持って言った。

「いいのよ。じゃあ、ファンレターのお返事書くの頑張ってね」

「はい」

高岡さんは、そう言って帰った。

私は、家に入った。

「愛歌、遅かったね」

「ちょっと事務所に行ってて」

「そのダンボール何?」

「私宛にファンレターだって」

私は、お母さんにダンボールの中を見せた。

お母さんは、驚いてた。

「こんなに。愛歌、すごいわね。これからも頑張ってね」

「うん。お母さん、ありがとう」

私は、部屋に行ってさっそくファンレターを読んだ。

ファンレターを一枚一枚見ていて涙が出て来た。

嬉しい。

私、こんなに誰かに期待されてたなんて……

私は、一枚一枚丁寧に読んだ。