「えー。だったら仕方ないなあ」

私は、雑誌をカバンにしまおうとした。

「まあ、せっかくだしもらっとくよ」

「本当? ありがとう」

「別に。ただ、愛歌がどんな風に写ってるか気になるしな」

「そっか」

「じゃあ、部屋にでも飾っとくよ」

康太は、そう言ってカバンに雑誌をしまった。

よかった。

受け取ってもらって。

学校に着いたら詩織にもあげよう。

あっと言う間に学校に着いた。

「じゃあな」

「うん」

私は、教室に行った。

「愛歌、おはよう」

「詩織、おはよう」

私は、席に着いた。

「愛歌、明日ピチピッチ発売だよね? 絶対、買うね」

私は、カバンの中から雑誌を取り出した。

「実はね。これ詩織にあげる」

詩織は、驚いてた。

「もう、もらったの?」

「昨日、高岡さんにもらったの。それで詩織にあげようと思ってもらったの」

「ありがとう!康太君にもあげた?」

「うん。さっき、あげたよ」

「何て言ってた?」

「最初はね、男がそんなもん持ってたら恥ずかしいと言ってたんだけど後で仕方ないからってもらってくれたの」

「ふーん」

詩織は、ニヤニヤしてた。

「愛歌は、康太君に1番先にあげたんだ~」

「たまたまだよ」

私は、恥ずかしくてそう言った。

康太に1番先にあげたかったって言えるわけないじゃん。