「俺、急だけど明日アメリカに行くから……それでお前に最後に言いたい事があるんだ……」

勇揮が言いづらそうに言った。

勇揮が明日アメリカに?

勇揮が私に言いたい事?

最後って何?

私は、思いつめた顔をした。

「俺、お前の事がずっと好きなんだ……今更、言ってごめんな。でも、これで最後だから……」

最後最後って何?

「ねぇ、最後って何?」

私は、恐そる恐そる勇揮に聞いた。

「だからもう、お前とは会わないって言う事」

勇揮は、サラッと言った。

何でそんなにサラッて言えるの?

勇気は、私の事本当に好きなの?

私は、勇揮ともう会えないって嫌なのに……

「勇揮は、私ともう会えなくても何とも思わないの?」

私は、言った。

「そりゃあ、嫌だけどお前の事諦めるとしたらそうするのが1番だろ。お前と顔会わしてたら諦められないしな。それにお前には、あいつが居るだろ? だから、これでいいんだよ……じゃあ、そろそろ俺…」

勇揮が言った。

勇揮の言う事は、正しい。

確かに私には、康太が居る。

なのに勇揮ともう会えないと思うと何で私は、こんなに胸が苦しくなるの?

私は、康太の事が好きなのに……

「じゃあーな。幸せになれよ」

勇揮は、そう言って帰ろうとした。

「勇揮っ」

私は、大声で勇揮を引き止めた。

勇揮が私の方を振り返った。