そんな真剣な顔されたら断れないよ……。

「はい。考えて見ます」

「そう。よかったわ。じゃあ、考えたら教えてくれるかな? いつでもいいからここに来てね」

「はい」

「じゃあ、ゆっくり見て行ってね」

「「はい」」

お姉さんは、出て行った。

「愛歌、やっぱりすごいね!!」

「うん。モデルさん、すごいよね!!」

「モデルの人じゃなよ。愛歌の事だよ」

「えっ、私? 何で?」

「だってあんなすごい人にスカウトされたんだよ。あんなに期待されてるんだからやって見た方がいいよ」

「そんな事ないよ。でも、私カメラの前に立つの怖いんだ」

「そっか。でも、モデルの仕事していく内に写真嫌い直っていくと思うよ」

「そうかな?」

「そうだよ。だから真剣に考えてあげて」

「うん」

「君、スカウトされた子だろ?」

私が詩織と話してたら声をかけられた。

「そうですけど……」

「ゆっくりして行ってね」

「はい」

「やっぱ、愛歌すごいね!!」

「すごくないよ」

時計を見たらもう5時。

時間って経つの早い。

もうそろそろ帰った方がいいよね。

「愛歌、もう帰ろっか?」

「うん」

「愛歌ちゃん、詩織ちゃん。待って」

私と詩織が帰ろうとしたらお姉さんが声かけて来た。