ポン

後ろから誰かに叩かれた。

「ん?」

私は、後ろを振り返った。

「愛歌ちゃんだよね? 私、石野郁って言います。よかったら仲良くしてね」

郁ちゃんが言った。

「あっ、うん。こちらこそ仲良くしてね。私の名前は「藍沢愛歌ちゃんでしょ?」と私が言おうとしたら郁ちゃんが言った。

「うん。よく覚えてるね」

私は、言った。

「だって私、愛歌ちゃんのファンだもん。雑誌とか愛歌ちゃんが載ってるのだけ持ってるんだよ」

郁ちゃんは、そう言って私が載ってるピチピッチとかの雑誌をいっぱい見せて来た。

郁ちゃん、こんなに持ってる。

「郁ちゃん、ありがとう。嬉しいよ」

私は、言った。

「やっぱり愛歌ちゃん、優しいね。愛歌ちゃんと同じクラスになれてよかった」

郁ちゃんが言った。

「うん。私も郁ちゃんと同じクラスになれて嬉しいよ」

郁ちゃんと同じクラスになれて嬉しかった。

「本当? 愛歌ちゃんがそう言ってくれると嬉しいなー」

「愛歌にファンが居たんだな」

郁ちゃんと話してると、康太が言った。

康太が私と郁ちゃんの所に来たら郁ちゃんが突然康太を見て顔を赤くして目を逸らした。

どうしたんだろう?

私は、郁ちゃんの気持ちに気づかなかった。

「失礼な、康太」

私は、言った。

「明日の昼飯」

康太は、しつこく何度も言う。

「もう、何度も言わなくても覚えてるよ」

私は、言った。

「じゃあ、お取り込み中見たいだし」

康太は、そう言って席に戻った。

「康太って失礼だよね?」

私は、郁ちゃんに言った。