「康太、どうしたの?」
私は、康太に聞いた。
「財布持ってくるの忘れた」
康太が言った。
言うわけないよね。
ちょっとは、期待してたけど……
「康太、また忘れたの?」
私は、言った。
「悪りぃ。愛歌、金貸して」
康太は、そう言って手のひらを出した。
「はい。今度、返してね」
私は、手のひらにお金を置いた。
「サンキュー」
康太は、そう言って教室から出て行った。
「愛歌、康太君って本当シャイだよんね」
詩織が言った。
「そうだよね」
私は、言った。
「愛歌はさ、康太君に愛情がある台詞とか言われた?」
詩織が私に聞いて来た。
愛情ある台詞ねぇ。
私は、教室に戻って来た康太を横目でチラッと見た。
「何だよ。愛歌?」
視線に気づいた康太は、私の方を見て来た。
「別に」
私は、詩織の方を見た。
「ないない。詩織は、光輝君に言われた事あるの?」
私は、詩織に聞いて見た。
「光輝も普段そう言う事言わないけど、何か行事がある時とかさりげなく言ってくれるよ。まぁ、男の子はシャイな人が多いけどね」
詩織が嬉しそうな顔して言った。
「いいなぁ、詩織は。それに比べて康太は」
私は、再び康太の方を横目でチラッと見た。

