「もしもし」

「愛歌、今日仕事ない予定だけど、急に大きい仕事あるから今日事務所に来て」

高岡さんが言った。

えっ、急に大きい仕事?

でも、どうしよう……

今日は、康太とゲーセン行くのに……

私は、迷ってた……

でも、大きい仕事だし……

「行って来いよ」

私が迷ってると康太が言った。

「えっ? でも……」

「行けって。大きい仕事何だろ? 俺なんかよりそれ優先すればいいから。それに俺と愛歌は、家も隣だしいつでも会えるしな」

康太が言った。

「康太、いいの?」

私は、康太に聞いた。

「いいって。俺は、愛歌を応援してるんだから」

康太……

「康太、ありがとう……じゃあ、行って来るね」

私は、言った。

私は、ケータイに耳を当てて「じゃあ、今から行きます」と言った。

「急にごめんね……でも、愛歌の大きなチャンスだから」

高岡さんが言った。

「はい」

「じゃあ、待ってるね」

高岡さんは、そう言って切った。

私は、ケータイを閉じて康太を見た。

「愛歌、頑張れよ」

康太が言った。

「うん。じゃあ、また明日」

私は、康太に手を振って事務所に向かった。