「愛歌、入って」

拓哉が言った。

「おじゃまします」

私は、そう言って家に入った。

「何で俺しか居ないのにおじゃましますなん?」

拓哉は、そう言ってケラケラ笑った。

拓哉の家は、意外に綺麗に片付けてあった。

シンプルな部屋だった。

何か拓哉に合わない。

「拓哉って意外に片付けてるね」

私は、言った。

「意外とは、失礼だし。まぁ、そう見えるよな。適当に座って」

私は、拓哉に言われるように近くにソファーに腰がけた。

「愛歌、何かジュースとか居る?」

拓哉が私に聞いた。

「ジュースは、いいよ」

「そんなの気にしなくていいから何がいい?」

拓哉が言った。

「オレンジジュースがいい」

私は、言った。

「オレンジジュースとかお子様だな。俺は、コーラー飲むけど愛歌は、コーラーとか苦手?」

確かに私は、お子様ですよ。

でも、コーラーとかは苦手。

「うん。コーラーとか苦手」

「やっぱりな。はい、コレ」

拓哉が私にオレンジジュースが入ってるコップを渡して来た。

「ありがと」

私は、それを受け取った。