「光輝君、愛歌連れて来たよ」

「おう。おい、勇輝。起きろって」

光輝君が寝たいいたあの男を起こす。

お願いだから起こさないで……

「ん……」

あの男は、起きた。

私とあの男は、目が合った。

気まずい……

昨日、あんな事言ったし……

今更、どう顔合わせればいいの?

しばらく沈黙が続いた。

「愛歌、勇輝君に謝って」

「勇輝、愛歌ちゃんに謝れって」

私は、詩織に攻められてあの男は、光輝君に攻められた。

「あの、ごめん……。昨日は追いかけてくれたのにあんな事言って」

「別にいいよ。俺も悪かったし……」

よかった。

怒ってなくて……

「じゃあ、お二人さん。仲直りしたんだし、二人で一緒に一曲歌って」

「ホイ」

光輝君は、そう言って私とあの男に渡した。

「私は、いい」

「俺は、いい」

2人同じ事を言った。

「プッ。勇輝君と愛歌。同じ事言ってるじゃん」

「本当だな」

詩織と光輝君は、そう言って笑った。

「笑うことないじゃん」

「そうだよ」

私とあの男は、言った。